池をお作りなさい!

亀の花子が紹介する、亀の飼い方、池の作り方

我が家のリフォーム 〜水槽からタライ池へ〜

さて、わたくしの住処は華麗な変貌を遂げたわけですけれども……今回はそれがどのようなものだったかお伝えしてまいりますわ。

 

【長年の住処】

わたくし、甲羅の長さだけで20cmをゆうに超える立派な乙女ミドリガメなのですけれども……古い住処はいわゆる60cm水槽でしたわ。

こちらが近いかしら?

 

一般家庭で小動物を囲うにはそれなりに大きなもののようですけれども……わたくしにはちょっと……。

 

しかも私のような半水性の亀には、

甲羅干しが出来る陸地と、

・抑え切れぬ野生の衝動に駆り立てられて旅立ってしまうの(脱走)を防ぐための蓋

が必須ですの。(囲いが高くても、足をかけられる場所があればわたくし簡単に登れましてよ?亀だからって、わたくしの運動能力を舐めないで頂きたいわ。伊達に兎に勝利しておりませんでしてよ!)

 

そんな訳で、水位は甲羅がかろうじて隠れる程度……陸地はレンガがひとつに、上部は重り付きのアクリル板(空気穴あり)で蓋をされておりましたわ。半日陰に置かれたこの住処でわたくしは毎日を過ごし、冬の冬眠も乗り越えておりましたの……。我ながら、自身の生命力には感心いたしますわ!

 

わたくし程の大きさの生き物になりますと、狭い場所では水もすぐに汚れがち……世話をしてくれていたお父様は出来るだけ頻繁に水を変えてくれていらしたのですけれども……やはりお忙しい身ではわたくしのニーズには追いつかず、わたくしの水槽は汚れを糧に大繁殖した藻で濃い緑になっていることが殆どでしたの。ハイメンテナンスな乙女で恐縮ですわ……。

 


ローメンテナンスな新居】

そんな状況を見かねて、この家の娘が作ってくださった新しい住処がこちらですわ!

 

娘が言うにはもっと見目の良い住処を作りたかったようなのですけれども……以前の狭い水槽に比べたら素晴らしいグレードアップでしてよ!『おかね』とやらを殆ど使わなかったにしては上出来でしょう?そう思いませんこと?


水が暗く見えるかも知れませんけど、底に生えている藻のせいですわ。水はよく澄んでおりましてよ!


え?何がどうなっているかよく分からない?でしたら詳しく説明して差し上げますわ!でもその前に……


今は右側の大きな陶器のかめは見ないふりをしていて下さいませ。こちらは別のお家ですの。また後ほどご紹介いたしますので……。



それでは、まずこちらをご覧になって?

人間の娘が描いてくださった、わたくしの住処の概要図ですわ!


赤い矢印が水の流れですわ。それと、陸地と金網のフタはこの図には描かれていませんの。お気をつけになって?



生態を囲う住処に必須の仕組みとして、

・『物理ろ過』(目に見える物理的な汚れを濾す仕組み)

・『生物ろ過』(微生物の力を使って目に見えない汚れ成分を分解してもらう仕組み)

の2つがあることはご存知かしら?


透明で生き物に安全な水を保つには、この2つは必ず必要でしてよ!ご存知なかった方は是非覚えて頂きたいわ。



【物理ろ過装置】

我が家の『物理ろ過』装置は、ポンプが水を吸うところにありますの。

ポンプが汚れなどで詰まりにくく、水底に安定して固定できる吸水口・『物理ろ過』装置としては十分機能いたしますわ。でも人間の娘が言うには改善しなければならない点もいくつもあるそうですの。でも彼女の理想の装置については、またの機会にご紹介するといたしますわ。



【亀の住処】

わたくしが生活しているのは、120Lの容量を持った大きなタライですの。吸水口の植木鉢と陸地のコンクリートブロックを入れても、すいすい泳げるスペースがありましてよ!快適ですわ!


具体的にはこちらを使っているらしくてよ?手軽に手に入るものの中では一番容量が大きかったのだとか。


カインズホーム、ホースが留められるタライ 120L

https://www.cainz.com/g/4549509418580.html


底面に水抜き栓があるのも便利だそうですわ。タライはコンクリートブロックを隙間を空けて並べた上に乗せてあって、水を抜かなければならない時は栓を抜けば簡単に水を抜ける仕組みですわ。


でもわたくしは何かあればつつきたくなる性分で……わたしに栓を抜かれないよう、人間の娘は栓の出っ張りを切ってレンガを乗せておりますの。これでわたくしがうっかり栓を抜いてしまって、熱い日差しの中に水無しのままでいることは無くなりましたわ。うふふ、わたくしったら……。



【陸地とフタ】

陸地は半分に割れたコンクリートブロックを重ねて、レンガで階段を作っておりますの。人工芝を敷いてくださったお陰で、お腹の甲羅をこすらずに済んで快適でしてよ?もっとも、その程度で痛めつけられるほどヤワでわありませんけれども。そこはわたくしの人間の気遣いですわね。よくできた人間ですこと!


わたくしとしては歩き回れる広さのある陸地が理想なのですけれども……それはこの先のリフォームに期待ですわ!


フタに関してですけれども、これは要改善点がいくつかありますの。


まず、タライの上に直接金網を被せておりますけれども、これは設置場所がナナメになっているから出来る技ですわ。全体が傾いているから片側はわたくしが陸に上がれる水位になっておりますけれども……さもなければわたくしが水から全身を出せるスペースはありませんの。


人間の娘はこの先住処の場所を移動しても良いように、周りを金網で囲ってから上部を覆いたいようですわ。こちらもリフォームが楽しみですこと!わたしが食事の際に我を忘れて上部の金網の中に頭を押し込んで引っかかることもなくなりますわ!うふふ……わたくしったら本当にはしたないわね……。



【生物ろ過装置】

さて、我が家で一番大事な要素と言っても過言では無い『生物ろ過槽』ですけれども……。


これこそが、わたくしと人間の娘が皆様に知って頂きたい、このブログのキモとも言えるべきトピックですわ!



人間の娘が知ったのは、


『ボクフィルター』


という浄化装置のアイデアですわ。



こちらは適切に運営されれば、


・見た目に美しく

・薬品に頼らずに自然の力で常に水を透明に保ち

・囲う生物にとって安全で

・周りの人間や生物にとっても憩いの場となり

・浄化槽の清掃は年に一度か二度で済む


という夢のような機能を持っていますの!


残念ながらわたくしの住処に使われているものはそのアイデアを応用したものなので、見た目や掃除の回数は多少引けを取ってしまうのですけれども……それでも、メンテナンスの手間は劇的に減りましてよ!


わたくしの住処は新しくなって一年ほどですけれども……以前は透明な水を保つには週に一度か二度の水換えが必須でしたの。


でも今の住処に変わってからは、水換えは汚れを分解・吸着してくれる微生物や植物がまだ増えていない春先だけしかしておりませんでしてよ!


それでも水は透明なまま。素晴らしくありませんこと?


それ以外の手間は、


・目に見えるゴミを気になった時にネットですくったり

・植物の水やりついでに減った水を足したり(水を溢れさせれば表面に浮かぶゴミも流せますわ)

・ごく稀にポンプの上部に舞い降りてしまう枯葉を取ったり

・増えすぎた植物を剪定したり


……といった感じかしら?どう?さほどの重労働ではありませんでしょう?


わたくしの人間はタライの内側に生える藻はあまり気にしておりませんけど……住処が暗い方は貴女は安心するでしょう?なんて言っておりましたわ。よく分かっていらっしゃる!



メンテナンスの手間が省けた分、わたくしの人間たちはわたくしとの時間を楽しんでいるようですわ。


わたくしが食事するのを眺めたり、ただ流れる水の音を聞いたり、揺れる水面を眺めたり……それにわたくしが泳いでいる姿を見て、羨ましそうにしていらっしゃいますの。わたくしの住処がもっともっと広ければ、わたくしは喜んで招待いたしますのに、残念ですわ。


今の住処に変わったお陰で、わたくしは頻繁に住処を荒らされることも無くなりましたし、忙しい人間たちに手間をかけさせることもなく楽しい時間だけを共に過ごせるようになりましたの。以前のように心苦しい思いをさせることがなくなって嬉しい限りですのよ。



それもこれも、『ボグフィルター』のおかげですわ!



皆様にも、わたくしの人間のように囲う動物とは楽しい時間を過ごして欲しいと思っておりますの。


その為にも、次の投稿では『ボグフィルター』の全貌を詳しくお伝えいたしますわ。きっと皆様にも役立てていただけるアイデアがあるはずでしてよ。楽しみにお待ちになってらっしゃって?


花子




#亀の飼育

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#庭池

#池用浄化槽

嗚呼庭池、我が理想のマイホーム

ごきげんよう皆様。わたくし、ミドリガメの花子と申します。わたくしのブログを読みに来ていただいてとても嬉しくてよ?

え?なぜ亀なんかがブログを書いているのかですって?それには、琵琶湖よりも深い理由がありますの……。

 

まずはここに、わたくしの自己紹介と、それからなぜわたくしがブログを書き始めたのかをお伝えしてゆきますわ。どうぞおくつろぎになって?

 

 

コホン……あれはまだわたくしがとても小さく、透き通った水に浮かぶハスの葉のような緑色をしていたころ……わたくし、とある一家に貰われてまいりましたの。

 

一昔前では、ありふれた話でしたわね。無邪気な人間の子供が、お祭りで見かけた亀を嬉しそうに持って帰る……どうにも幼い人間は、何かと自分以外の生き物を閉じ込めておきたくなるようですわ。わたくしには理解できませんけれども、きっとそれが人間の性なのでしょうね。致し方のないこと。かくしてわたくしは、ある家族の一員になったのでございます。

 

そしてこれもありふれた話……。はじめのうちはそれは可愛がってくださいましたのに……だんだんと水替えの頻度も減ってゆきました。そして小さな子供が育ち家を巣立ってからは、父親が世話を買って出てくださいましたのですけれども……父親も忙しい上に、お年を召した身。ほとんどの間、わたくしの住処の水は私より濃い緑色に……。

 

しかしそこはわたくし、それはそれは生命力の強い亀に生まれた身。伊達に南米から北米にまで野性の生息地を広げ、果ては勝手に連れてこられた地で外来種だなんて厄介者呼ばわりされておりませんわ。そんな環境に居ても、そして冬は氷点下の野外に放置されても、すくすくと育って立派な成亀になりましたの。(春から秋にかけて、食事はきちんと貰っておりましたから。)

 


 亀生も亀それぞれ。きっと私はこの狭い水槽の中で一生を過ごす身。食べ物を不足無く与えられ、悪意も生態系の知識も無い人間がそうするように野に離されなかっただけ良かったもの(自由への憧れはあっても、地元の生態系バランスを脅かす身になるのは不本意でしてよ)……そう思って、長い年月を生きて参りましたの。


それが突然変わったのはつい一昨年のこと。不意に、この家の娘のひとりが帰省されましたの。身体を壊して帰って来たと聞きましたけど、不憫なものですわ。


そんな彼女は、きっと同じように自由の無い私も不憫だと思ったのでしょうね。体調が戻ってくると、私の住処をもっと心地良いものにしようと身を砕いて下さいましたの。なんて優しい子!


彼女のおかげで、わたくし今のサイズになってからは初めて、両手両足を伸ばして透明で深い水の中を泳げるようになりましてよ!(住処の詳細はまた後ほどご説明差し上げますわ)嗚呼、なんて快適なんでしょう!こんなこと、生まれて間もない頃以来ですわ!


彼女のお陰で、わたくし知ってしまいましたの。水の中をすいすいと泳ぐ喜びを……。わたくしの身体は、その為に作られていたということを心底理解致しましたわ。



だけども、わたくしが知ってしまったのはそれだけではありませんでしたの。



わたくしを気にかけて下さった娘は、聞けば若い頃は野生動物の医者を目指し、渡米した経験がおありのこと。(どうりで長い間見かけないと思っておりましたわ)


当然、わたくしの生態や住処の作り方を学ぶ上で、海外からの情報も手に入れたようですの。


そして、彼女はわたくしに語って聞かせて下さいましたわ。


日本にはまだ広まっていない、


自然の力を利用した、


限りなく管理労力の低い、


それはそれは美しい、透明な水を湛える見事な池を作る方法を。



彼女が見せて下さった画像や動画はまるで天国でしたわ‼︎ 今のわたくしの住処ももちろん悪くはありませんけど……ここが例えば集合住宅のひとり部屋だとすれば、それはそう、まるでハリウッドセレブの豪邸のよう……。


嗚呼、あんな池に住めたらどんなにいいことでしょう!色とりどりの鯉ととともにすいすいと泳ぎ、日当たりの良い岩を選んでは甲羅干しをして、岩陰に休み、気まぐれに土を踏んで、あたりの草を食むことができたらどんなに……。


そしてどうやらそれを望んでいるのはわたくしだけではありませんでしたわ。彼女自身も、そんな場所のそばに住みたいと仰っておりましたの。人間は普段水の中では暮らしませんですけれども、水辺には同じような憩いを感じるとのことですわ。不思議なものね。わたくしたち、もしかしたら思っているよりも多くの共通点を持っているのかもしれないわ。


だけれど、全てが上手くいかないのも亀生と人生の共通点らしいですわ。この家の庭はコンクリートに覆われていて、池を掘れる場所なんてありませんでしたの。そしてわたくしはよく分からないのですけれども、何かをするには『おかね』というものが必要らしいですわ。この辺りは、わたくしたちとは決定的な違いね。自分の身体以外の何かが必要だなんて、本当に理解できないわ。一体どうなっているのかしら?



だけどわたくし思いましたの。


誰も知らないのなら、これはみんなに知らせるべきなんじゃないかって。


こんな素晴らしいことがあるのなら、沢山の人に知って貰えば、きっと誰かが作って下さるはずですわ。そうでしょう?


もしかしたら、作りたいのに作れなくて困ってる人間も居るかもしれませんわ。そんな人は、この話を聞いてきっと喜ぶはずだと、そう思いましたの。


そこにわたくしが住めないのは残念ですけれども、他の亀や生き物もきっと喜びますわ。素晴らしい場所が増えれば、わたくしはそれはそれで嬉しくてよ?世の中には、美しい場所は多い方がいいでしょう?


それに、もしかしたら誰かがわたくしたちの池を作るのを手伝ってくれる……コホン。いいえ、それは過ぎた望みと言うもの。多くを望んではいけないわ。……でも、嗚呼あんな池に住めたらどんなに良いか!願わずには居られませんわ。



そんなわけでわたくし、この人間の娘の手を借りてこのことを広く伝えようと筆を……いいえ、すまほを手に取りましたの。(実際に文章を打って居るのは彼女ですけれども)


わたくしが記したこのブログが、多くの人にお話を伝えられるという、人類の英知であるといういんたーねっとを通じて、どうか広く伝わりますよう……。池や小川に憩う生き物が、少しでも増えると嬉しいですわ。


では、ごゆっくりしていらしてね?

花子